
僕は昆虫の中ではカブトムシが一番好きである。
しかし、カブトムシにも段階があって、卵→幼虫→サナギ→成虫、だ。
誰もが立派なツノを持ったオスの成虫が好きだろうが、僕はこのサナギがとりわけ好きである。しかし、このサナギというものは、土に潜ってジーッとしている。普通、表に出てこないのだが、カブトムシをとる時(カブトムシも夏前は土の中にいる)、土を掘り返してると、時々このサナギに出くわすのだ。
ジーッとしているが、触ってみるとお尻だけフリフリ動かす。
その姿が何ともいたいけでカワイイのだ。それで僕はこのサナギが大好きになった。
でもサナギを触りすぎると、成虫になった時、まずいことが起きる。
奇形の成虫が出来てしまうのだ。ツノが曲がっていたり、羽が破けていたり…。
カブトムシにすれば甚だ迷惑な話だ。人間のしょうもない好奇のせいだ。
それで大人になって作ったのが、「サナギちゃん」という詩だ。
「サナギちゃん」
サナギを触ってはイカンと
お父ちゃんに叱られながらも
幼いボクは
虫かごの土を掘り起こしては
カブト虫のサナギの
なんともヘンテコな形で
じーっとしている姿が好きでよくイジった
イジってみると
お尻ふりふり
チョンチョンと突くと
またフリフリ
お尻だけフリフリフリ
── ウフッ、かわいい……
なんでそんなにかわいいの? って
お尻にチュ〜ってキスしたの
そうしたらまたフリフリしちゃって
もういや〜ん
ボクの唇を初めて奪ったのは
サナギちゃんでした
随分迷惑だったでしょうネ!
サナギちゃん
スキよ〜ん!
大スキよ〜ん!
ずーっとそのまんまでいてほしいから
またチュ〜ってしちゃおっ!
(終)
どうだ? なんてクレイジーなんだ! だから、だから、すごいんだから!